お待たせしましたー。路線バスカラーリングマガジンもとうとう 第参拾号をむかえることとなりました。30回記念ということで、 いろいろ趣向を盛り込もうと考えてるうちに、すっかり更新が 遅くなってしまいました。正月に更新するはずだったものが、 いつのまにやらもう20日。新年早々どーもすみませんm(__)m。
 今年は夏にはCD-ROMの第三弾も製作する予定ですし、HPの方も 容量の問題がなくなったので、近々「図鑑」を拡張する予定です。 あいかわらず、更新はぼちぼちのペースではありますが、 ことしもひとつお付き合いのほどをよろしくお願いします。
それでは30回記念の沖縄スペシャル(?)をどうぞ。

それから今回もクリックし見れる写真は600x400の大判にしてあります。
どうぞごゆっくりお楽しみください。

(注:写真をクリックすると大きな写真が見れるようになっています。)


第参拾号

 2002年 1月14日号
 (4月7日改定版)

今回のテーマ:「だいじょぶさぁ沖縄すぺしゃる」

 いちおう今回がこの「バスカラーリングマガジン」の記念すべき 30回目ということなので、それにふさわしい内容にしようと企画して いってきたのが沖縄撮影旅行でした。なんで沖縄かっていうと、 まあ前回北海道だったんでこんどは南かな?という単純な発想があったのですが、 まあ沖縄はもう10年前に修学旅行で連れて行かれた時に 隙を見て撮ってきた写真ばかりだったので、いい加減いろいろ 変わっているだろうということで、沖縄までまたもや1泊2日という 日程でいってまいりました。結果からいうと10年前とまったく変わって いなくて、とほほ(:_;)という感じではありましたが、 沖縄のバスと沖縄の文化をいろいろ見てくることができて 楽しい旅行でした。この旅行にいったのが実は米国のテロ事件が おきて1月後、ちょうど沖縄では観光客が激減して、島全体が 沈んだ雰囲気に包まれている時期でした。けれども、沖縄の 人たちはどんなときでも明るく「だいじょぶさぁ」とみんな がんばっている雰囲気が伝わってきて、ちょっと応援したくなりました。 そんなわけで今回はちょっと力を入れて作ってみたんですが、 そのせいで遅くなってしまいました、ごめんなさい。 今回の特集を見て「沖縄もおもしろそうだな」と思ったら、 ぜひ沖縄を訪れてみてください。リゾートでのんびりするもよし、 バスに揺られてみるもよし。ぜひ沖縄の魅力を体験してきてください。
それでは、今後激動(?)が予想される沖縄のバスの今の姿を ご覧ください。


[東陽バス]

 沖縄のバスのうちいままでなぜか写真がなかったのが東陽バスでした。 1度目の沖縄の時は時間に追われていて結局撮り損ねていて、ずーっと心残りの ままでした。とはいってもあまり沖縄らしくない(=本土風?の普通な感じ)カラー でしかも数もそれほど多くなく(たぶん4社中一番路線が少ないはず)、 今回も以前見たときと変わっていないこのパターン以外のバリエーションを 見かけなかったので、やはり印象の薄い感じは昔から変わらず といったところでしょうか。

   (01.10.14/沖縄・那覇バスターミナル)


[琉球バス]

 地味な東陽とはうって変わって、今回撮りごたえがあったのが琉球バスでした。 カラーが新旧合わせて4パターン。さらに広告車とかでも目を引く物があって、 なかなか楽しい感じでした。いかにも沖縄と感じさせてくれたのは、運転手さんの 制服がバスのカラーに合わせた派手なオレンジ色のアロハっぽいシャツだったこと。 これは最初驚きましたが、沖縄の風景には結構似合っているのかもと思いました。 社名といいオレンジ/ブルーのカラーリングといい、一番沖縄らしさを感じさせて くれるバスでした。

[元米軍輸送カラーらしい]
[旧塗装・まだまだ現役]
[新塗装?中古車専用塗装かも]
(01.10.14/沖縄・那覇BT) (01.10.14/沖縄・那覇BT) (01.10.14/沖縄・那覇BT)

[長距離用カラーかな?]
[貸切色のたぶん転用車]
[高速車]
(01.10.14/沖縄・那覇BT) (01.10.14/沖縄・県庁前) (01.10.14/沖縄・那覇BT)


琉球バスの前後扉の中古車。(改造車?)
よく見ると後ろ扉の部分にも 人が座ってる?
(クリックして拡大写真をご覧下さい)

[うちなー・コラム(その1)]

 「沖縄のバスのはなし」

 沖縄のバスといえば、すでに伝説となりつつありますが、沖縄のバスは「とまる」 ものではなく「とめる」ものだ、という話があります。バス停でバスを待っていても バスは素通りしてしまうので、自分の乗るバスが来たらタクシーに乗るように手を あげてバスを止めるというのです。実際沖縄出身の人に聞いたらたしかにそうだ、と 言っていたので事実のようです。なぜそうなったかというには諸説あるらしく、 同じバス停に各方面へのバスが頻繁に発着するため、乗客がないバスもいちいち止ま ると渋滞するからという説がもっともらしいですが、ローカルなバス停でも同じように 通過していたらしいので、やはり幹線系統が多く本数が多い(ちょっと混むとすぐ ダンゴ化)・道路が広く飛ばせる道が多い・沖縄の気質※等の複合的な要因による ものではないでしょうか?  この話はわりと有名なようですが、4社統合※も噂される昨今では客離れ防止の ために本土なみのサービスレベルにしないといけないのか、バス停では必ず停車する ようになっているようで、今となっては過去の話になってしまいました。 なんといってもバスの車内の掲示に「バス停ではバスは必ず止まりますので、 お客様が手を上げて合図する必要はありません」と書いてあるので間違い ありません(笑)。


[沖縄バス]

 沖縄バスもいまいち印象が薄いというイメージがあります。琉球バスと同じく ほぼ全島がエリアだし、窓までブルーなそのカラーも沖縄らしいといえば 沖縄らしいかも、と思うのですが、今回も乗車したにもかかわらず、 なぜか記憶にあまりないのはなぜなんでしょう?他でいろいろインパクトが ありすぎたからかな?路線車のカラーが1種類でメーカも三菱のみというのが やはりちょっと寂しいですかね(まあポリシーがあってよい、という話もあるが)。 しかし沖縄バスに限った話ではないですが、沖縄の高速バスは1路線しかないうえに 利用者が少なく本数が少なくてしかも4社共同運行ですから、なかなか各社の バスを捕まえるのが至難の業です。早いけど高い高速バスより、時間がかかっても 本数が多くて便利な一般道経由便のほうがいいという人が多い (いやそっちも決しておおくはなさそーだけど)というのは なんとも沖縄らしい話ではあります。

[路線車]
[高速車]
(01.10.14/沖縄・那覇BT) (01.10.14/沖縄・那覇BT)

 


[うちなー・コラム(その2)]

「モノレールとバス会社統合とテーゲー」
建設中の沖縄モノレール
牧志駅。手前は国際通り

 沖縄の那覇では今、初の軌道系交通機関(正確に言えば戦後初)として モノレールが建設中です。昨年末には試運転が開始されたそうですが、作者が 見てきた限りではまだ半分くらいしかできておらず、もうずいぶん前から 着工しているのに開業予定は2003年ということでずいぶん気の長い話です。 このモノレールの開業により沖縄のバス業界も大きく影響を受けることになりました。 もともと自家用車の利用率が抜群に高く、経営が厳しかったバス4社が モノレール開業後の路線再編もにらみ、路線バス部門を1社に統合する ことになりました。2001年度中にも統合、ということで話がすすんでいる、 ということで統合前に4社の路線バスを記録しようと今回沖縄に行ったわけ ですが、行ってみたらほとんど「統合」という雰囲気はなく唯一バスターミナルに 「統合を成功させよう」というもう何年もまえからありそうな看板が あったぐらいでした。結局現地では統合がらみの情報は入手できず 「流れちゃったのかな?」と思いながら帰ってきて、その後しばらく沖縄 の新聞のWebを見ていたところ、突然「JRが統合会社に資本参加か?」と いう記事が載りました。その後そのJRの話は真偽がはっきりしなかった ものの労使間で合意が成立して、統合に目処がたったというニュースが 出てきました。たぶん今年中には新会社が誕生することでしょう。
 本土の人間からするとこのペースの遅さ、いいかげんさはなんだかなぁ、 と思うところですが、なにもバス業界に限ったはなしではなく沖縄では なにごともこんな雰囲気で、これが沖縄ことばでいう「てーげー」というやつで 沖縄の人の気質を言い表す言葉なんだそうです。本土の人間は たいていこれに面食らってイライラすることになりますが、 反面これが沖縄の南国的な魅力でもあり沖縄の文化なんだろうと思いました。 モノレールの建設もバス会社の統合も、そしてバスがバス停にやってくる 時間も「てーげー」な沖縄ですが、作者も沖縄の「良い加減」というやつを 見習いたいと思っています。HPの更新だけは昔っから「てーげー」 だけどね(^_^;)。

(追記:11月末に年内に新会社発足、4月から運行開始というニュースも 流れましたが、年が明けてもその後の続報はありません。やっぱり・・・ てーげー?)
(追記2:今年に入り4月に新会社設立という予定で準備が進んでいたようですが もう4月なのになんの音沙汰もなし…。モノレール開業が先か?)


[那覇交通]

 最後は通称"銀バス"の那覇交通です。主に那覇市内の市内線を運行しているバス会社です。 "銀バス"の由来は旧塗装の銀のカラー。最近はカラフルなレインボーカラーの車が 主力ですが、まだ元祖"銀バス"も現役でした。那覇交通はちょっとかわったバスが いろいろ走っているのも特徴で、真ん中の写真はLVキュービックで方向幕部分まで 1枚ガラスになっているもの、また右の高速カラーの車は昔のセミデッカ?の 貸切車のフロントマスクだけ新しいタイプに付け替えたもの。ほかに割と新しい ハイデッカーの貸切転用車を市外線に投入したり、けっこう楽しませてくれます。 ただカラーリングが10年前とほぼ変わってなかった(新旧含めて)のがちょっと 期待はずれでしたかね。

[旧塗装]
[市外線]
[高速]
(01.10.14/沖縄・那覇BT) (01.10.14/沖縄・那覇BT) (01.10.14/沖縄・県庁前)


[うちなー・コラム(その3)]

「沖縄の文化いろいろ」

文章とは関係ありませんが、いかにも
"沖縄"な広告車2台(いずれも琉球バス)。
以外にも沖縄は広告車が少なかった。
 今回の旅行、1泊2日の短い間ではありましたが、普通の観光旅行と違い 街中でバスを追いかけ、片道二時間バスに乗り、終点の何もない所まで往復 し、普通のスーパーで夕食を買うことで、それなりに沖縄の今の文化に触れる ことができました。そこでの収穫はというと、まあ「沖縄はすべてテーゲー」 というのがわかったというのが一番の収穫でしたが、まあそれはさっき書いたので 置いておいて、他には沖縄の料理と音楽をひとつずつ、持ち帰りました。 まず料理の方ですが、これがゴーヤとかラフテーとかのメジャーなものでは ないのですが、沖縄ではかなりポピュラーな家庭料理の一つに「ポーク卵」 というのがあります。どんなものかというと迷惑メールの語源ともなった 「SPAM」などのランチョンミートの缶詰(「ぽーく」と呼ぶ)のソテー? と玉子焼き(オムレツかも)を一緒に盛り付けただけという かんたんなものです。戦後米軍物資から生まれた料理と言われていますが、 沖縄ではこれをおかずにご飯をたべます。じっさいバスターミナルの食堂に 「ポーク卵定食」がありました。さらに驚くべきはコンビニに「ポーク卵の おにぎり」が存在すること。おにぎりの中にポーク卵そのものが挟まれている ものが何気なく(とはいえ普通の規格品のおにぎりよりでかいので目立つ) 置かれているところは沖縄を感じさせてくれました。行く前から沖縄の本で ポーク卵の存在は知っていましたが、このおにぎりをたべてその味とインパクト に魅了されてしまい、東京に戻ってからもスパムを探してきては毎週のように ポーク卵を食っています。このポーク卵、最大の欠点は伝統的な沖縄料理に 比べはるかに体に悪いことです。メインのポークがまさに塩の塊とも 言うべき塩辛さで(それがうまいんだけど)一切れも食べれば十分に一日分の 標準摂取塩分を突破するという代物です。最近では本場沖縄でも減塩タイプの ポーク(塩分3割減)が人気らしいですが、それでも塩分取りすぎには変わりない という恐るべき料理です。うーん、でも高血圧になってもいいからたべたいよー。
 それから音楽、こちらは沖縄に行く前に「いかにも沖縄な」BGMを探そうと いろいろあさってるうちに見つけた「tinktink」かなりオススメです。長くなるので詳しくは 書きませんが今後の全国区での活躍が期待されるところ。まあ詳しくは
こちらhttp://www.rinken.gr.jp/tinktink/ をごらんください。かなりお気に入りで沖縄でアルバムを入手。帰ってきてから も通販でシングルを買ったりとどっぷりはまってます。ネットで曲のダウンロード販売 もあるみたいなんでぜひお試しあれ。


次回予告
次回更新予定は 4/20ごろの予定です。

 次回は、3月にふらっと行ってきた島根・山口方面のバスを ご紹介する予定です。あんまり新しい写真撮れなかったんですが、 今まで穴になっていた石見などを中心に掲載します。


ご意見・ご感想・リクエスト等お待ちしています。

メールはこちらまで  jintan@skcr.jp

戻る
このページの画像・文章の無断転載を禁じます。
じんたん jintan@skcr.jp